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映画「祝の島」製作経過報告会(09.7/21)
山口県・上関町祝島
何代にも渡り漁業、農業を営む人々が暮らす、瀬戸内の小さな島です。
その対岸わずか4キロ先に、上関原子力発電所の着工の足音が聞こえて来ています。
ひとりの女性がこの島に惚れ込み、ドキュメンタリー映画の製作をはじめました。島の人
たちが受け継いできた暮らし、原発建設に反対して守りたい生活の中には、私たちの未来
に必要な何かがある、と彼女は思うのです。

映画「祝の島(ほうりのしま)」製作経過報告会

監督 纐纈あや(はなぶさあや)さんのお話と
撮影途上の映像上映会

纐纈あや(はなぶさあや)
1974年生まれ。自由学園卒業。
2001年よりポレポレタイムス社にて映画制作、宣伝、配給に携わる。
本橋成一監督作品、映画「ナミイと唄えば」(2006年公開)のプロデューサーを経て、今回の映画が初監督



・場 所:モダナーク ファームカフェ(神戸・三宮)

・日 程:7月21日(火)

・日 程open 19:00 / start 19:30

・料 金:1800円(1drink付) 要予約


【問い合わせ・ご予約】
モダナーク アクセス
 
神戸市中央区北長狭通3-11-15 TEL: 078-391-3052
 mail: modernark-cafe@chronicle.co.jp
映画「祝の島」をつくるわけ  −監督・纐纈あや -

私が初めて祝島を訪れたのは、今から五年前のこと。
島では、目の前の対岸に上関原発建設の計画が持ち上がって以来、島をあげての反対運動が、既に二十年間続けられていました。
暗く閉ざされた状況を思い描き、緊張して島に降り立った私を 迎えてくれたのは、とびっきり明るくて豪快で、気前の良いばぁちゃんたちと、無口ではにかみやで、でもいかにも人なつっこそうなじいちゃんたちでした。
たった一日半の滞在の中で、私は自分の故郷に帰ってきたような気持ちになっていました。またこの島に来たい、もっとこの島の人たちのことを知りたい、そう強く思いながら、島をあとにしたのでした。

そして今年の三月から、島に通うようになりました。島の人たちとひじき取りに出かけ、真夜中の漁に連れて行ってもらい、タコを姿干しにする光景を眺め、びわをもぎ、お酒を飲み、刺身をお腹いっぱい食べました。
ひとつのコミュニティとして、日々の営みが循環し完結している島の生活では、一人が何役もこなし、お互いが助け合い、あるものを分け合って生きています。そしてそれは、たくさんの生命を生み出し、育んでいる海と土とにしっかりと結びついています。島の人たちにとっては、この豊かな海さえあれば、原発を誘致しなければならない動機も、ましてや中国電力の補償金をもらう必要も全くないのです。

今、この祝島が、直面している状況は、私自身につきつけられている現実であり、延いては私たち人間すべてに投げかけられている問題だと強く思います。そしてこれから、私たちが何を選び、どんな未来を創造していくべきなのか、本当に重要な岐路に立たされているのではないかと思うのです。
島に来るたび故郷に帰ってきたような気持ちになるのは、私が普段はすっかり忘れていて、でも確実に私の身体に残っている何かの記憶につながっているからだと思うようになりました。祝島の人たちが、この26年間、守ろうとしてきたもの、これからも変わらず続けようとしている暮らしとはどのようなものなのか、私はもっと知りたいと思います。そして遠い昔からこの島で紡がれてきたものを、今、記憶していかなければと思っています。そこには、私たちが進むべき未来への希望が映し出されることを信じています。

2008年8月6日
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